綿矢りさ『かわいそうだね?』

なんかガラにもないような本読んでますが。いや、テレビで紹介されていたこの本のシチュエーションに興味をもったので。で、その話は“自分の彼氏が住む家を無くした元カノと同棲し始めてしまって”というところから始まる表題作でもある『かわいそうだね?』。ま、こっちはこの設定がすべてって感じの話かな。“ま、やっぱそういうことだよね”ってトコに落ち着いた感じだし。ちなみに、最初のシーンが阪神大震災から始まるんだけど“いま出すのになんで阪神?”って思ったら、連載時は東日本大震災前だったのね。え?予言小説?
どっちかというと、もう1作の『亜美ちゃんは美人』の方が好きかな。亜美ちゃんがかなりルックスの想像を期待させる書き方なんだよね。で、期待させといて思いいれたところで、その亜美ちゃんがどんどん転落してくのね。なんか心配になってどんどん読み進めてしまうという。心配で引っ張るってのもどうかと思うけど…。
ちなみに、この人の文体はわりと入りやすい感じでしたね。妄想に入るとどんどん話が広がってくあたり、ブサイク軍の発想な感じもするしね。いまだにかなりお綺麗な方ですけどね。元々の“10代で芥川賞”ってイメージからなんとなく手に取ってこなかったけど、どっちかというと直木賞方面の娯楽作品って印象。若いころろは作風変わったのかしら?いや、今でも十分若いんですけどね。