『ショッピングの日本語』

結構安っぽい製本なんだけどね

というわけで、唯一自分用に買ってきたお土産である『ショッピングの日本語』を読んでおります。基本的にショッピングの場面を想定した会話を1文ごとに「日本語」「日本語のローマ字表記」「英語」「ベトナム語」で書かれていて、もちろん日本語見るだけで変な文章もあるんですが、ローマ字表記で見る発音で“その漢字をそう読むか?”があったり、英語で“その意味で言ってたの?”があったりもして面白いです(ベトナム語は全く読めません…)。
まず判り易い誤植なんだけど、ベトナムでも意外と誤植的な日本語ってのは見かけなかったんですけど、この本では“スーツケー入”ってのと“オくンジ”ってのがいくつかあったな。ひらがなの“く”はカタカナの“レ”と間違いやすいのか。でも“1メートく”ってのもあったし。“レ”にも“ル”にも使えるとは“く”は便利なひらがなだ。あと文章の中で響き的に微妙に間違っちゃってるのもいくつか。

「小説が買ったいんです。」
「ここからあどこまで遠いですか。」
「はいて行ったら、どんどん伸ばすます。」
「床におきるカペットです。」
「はい、甘くて、ジュッスもいっぱいです。」

“ジュッス”はなんかあふれ出るみずみずしさも感じられてむしろ良い気もしますけど。でも、それなら“ジュース”って単語を知らないのかっていうと、ほかの文例では“ジュース”って言葉も出てくるんだよね。そっちは“フルッツジュース”でしたけど…。
それよりもやはり多いのは、なんかたどたどしい日本語。ベトナムで日本語で話しかけてきた店員さんもこれを見て勉強してたりしたのかと考えれば、あの微妙さも納得。

「お客様に楽しんでいるのために、頑張ります。」
「お客様の好きさによって選べます。」
「特別がない。でも私は見るかまいません。」
「はいちょっと待ってください。聞きに付けます。」
「使っているマニキューアみたいのは、あったら、いいです。」

“マニキューア”そこを伸ばすか!?みたいな。“聞きに付けます”は英語から意味を考えると、音楽を視聴出来るようにしますみたいなことらしいんだけどね…。
で、そこから行き過ぎちゃってもう意味わかんないのもちらほら。

「これはとてもファッションです。」
「今朝切ったばかりなので長い時間でなまです。」
「すみません。その靴なみはありません。」
「はい、私は本当に世界の古物を集まる人です。」
「是非、私の名前は長い時間が立てられました。そして自分の名前がなくもらいます。」

最後のは“是非”なんつー漢字まで使ってお願いしといて、なにを言いたいんだかさっぱりです。
そういえば、これは翻訳サイトとかでも多々ある系の文章なんだけど、恐らく辞書の単語をつなぎ合わせて作ったために、えらい堅っ苦しい文章になっちゃったってのもありますね。

「分割払い販売方がありますか。」
「ひもを回して解除したら動きます。」

ひもを回して解除したら動くのはどうやらおもちゃらしいんだけどね。なんか兵器の安全装置とか操作してそうな雰囲気。
あと、意味は通じるかもしれないけど、それはどこで使うんだ?ってな文章も。

「私は見回りだけです。」
「私はいつも白いものをとります。」
「絶対ぼんやりやあいまいでありません。」
「あなたの要求を本に書きました。」

なぜ本に…。これにシチュエーションが合致する本って、クレーマーの事例をまとめた『社長をだせ!』くらいしか思いつかないんだけど…。
あとは、もうシチュエーションすら思いつかないよなぶっ飛んだ文章。

「ここは私の息子です。彼は座り込んですぐに豆の皮を剥がします。」
「どうも、今日じゃありません。ソーセージを見せてください。」
「今日は、これはいいです。多分、今、帰ります。」

なんか、3つ目は凄い精神的に追い込まれてないか?後半の途切れ途切れ度合いとか…。

「病気がある男の子の玩具を見せてくれませんか。」

どんな玩具だよ。人形?嫌だよ、そんなの。顔にブツブツとかありそうで(どうやら英語から意味をとると、病気の男の子のお見舞いにふさわしいおもちゃを買いたいらしい)。

「はい。あなたに気づかせなければ忘れてしまうかもしれません。」

なんか、ちょっとSFだったり、もしくはすごい詩的な場面なんかも思い浮かんじゃいそうな言葉ですけど。でも、この場面って実はやおやなんですよね…。

「ついでに、毎週の金曜日に粉を4キロ送って下さい。」

え?裏世界のショッピングの日本語?こんな生業の人もこの本で勉強してるのかしら。

「もちろんです、あなたは強要されません。」

うーん、やはり何か脅迫のような匂いを感じる…。
さて、200ページ以上にもわたってこんな文章が続く教科書。わたしも読んで日本語がたどたどしくなってきた頃ですが、さて裏表紙にある姉妹品の紹介をみてびっくり。
「店員の日本語」
ってことは、こっちの本の方は買う側の日本語勉強本なのか?ベトナム人ベトナムで日本人から日本語で買い物をするための教科書…って、使う場面あるんか!?