クバール・スピアン

昨日は、かなり駆け足でメジャーどころの遺跡を見て回ったため、今日はやはり同じ現地ガイドの車でちょい移動に時間のかかる遺跡を見物。まず向かうのはクバール・スピアン。これは市街地や遺跡の近くにも流れるシェムリアップ川の源流にあたる場所なんですけど、この川岸や川底に彫刻が彫られているという場所なのだとか。っていろいろ調べてみたんですが、ここってなんで川底なんかに彫刻があるんだかイマイチわかんないんですけど*1。ま、乾季には水が干上がるため、作るのはその頃やればいいんでしょうけどね。
というわけで、またもやアンコール・ワットの横を通り抜け北へ北へと車を走らせるのですが、まず車に乗ってる時間が1時間。そのうち最初の40分くらいはフツーに舗装された道だったので問題なし。カンボジア人の一般的な住居群の間を抜けていく感じだったんですが、問題はラスト20分くらい。ここから道路が赤土むき出しの道になります。で、一応均してはあるのでしょうが、雨が降った後なんかは巨大な水溜りになってる感じ。そこを、もう右側通行関係なし、なるべく平らな場所を求めてハンドルを右へ左へ、それでも回避できないところはなるべく凸凹の少ないところをドンガドンガいいながら通っていく感じ。昔、電波少年アンコールワットへの道の舗装をする企画みたいのやってて、その時はもうあの番組いいかなって頃だったんで2〜3回しか見たことなかったんですけど、あの企画で舗装する前の道くらいのとこを斜め45度に傾きながら進むって感じでしょうか。下の写真のはまだ平らなところね。だって、凄いとこ走ってる時なんか写真撮ってられないし!*2

というわけで駐車場に到着したんですけど、ここに遺跡があるわけではなく、さらにジャングルの中を30分強くらい歩いて登ってく感じなんですね。こんな高いとこ中心に葉をつけた熱帯雨林っぽい木々の中を歩いていくんですけど、なんかこーいうとこ歩くとケツァールでも飛んでくんじゃないかって感じでカメラ構えたりして(国が全く違います。あとテレビに影響されすぎ)。

ただ、あまり冒険が出来るわけでもなく、現地ガイドの後ろをRPGのパーティーみたいに列になって歩いているんですけどね。なぜかというと

周りの木のあちこちに書かれているこの赤いしるし。コレ、ここから先はまだ地雷撤去が済んでいないためどうなっても知らんぞというゾーンなのです。ガイドはどうなっても良いのかって話もありますけど。いや、彼らは毎日歩いているので、どこ通ればOKか大体わかってるんですね。道自体はたまーに手を使わなきゃいけないような登りがあったり、角材1本の橋があったりといった道なんですけど、そんな中で前の方に日傘さして歩いてる日本人の女がいたのにはちょいひいたな。お前、岩つかみそこねて地雷原に落っこちてっても知らんぞ。日焼けか爆死かなら爆死を選ぶわ、って感じなんでしょうか。はぁ。てなわけで、ようやく着きましたクバール・スピアン。

ただの滝じゃんって話しもありますけど。これ、今は雨季なので雨水で川がかなり増水しているのですが、乾季にここにくると、この滝の裏に仏様があるのだとか。勇者ライディーンかよ*3。本当は下の写真の部分も乾季だと彫刻が見られるそうです。

で、もう少し登っていくとようやく彫刻らしきものが。さらに彫刻の前に大量のリンガがお目見えしているところもありました。このリンガは、滝の上くらいからずーっと川底に彫刻されているのがうっすらみえていたくらい歩いてきた道ずーっとにあったんですけど、なんかみうらじゅんさんがどっかで書いてたのを覚えてたんですが、要はこれって男性器の象徴なんですね。で、台座の部分が女性器を表しているという。こんなジャングルの奥地くんだりまで苦労してきて、見るのがポコーティンというのも(信心が無い奴にとっては)バカバカしくてかなり良いですね。でも、さっきの日傘女は納得いってないんじゃないだろか、ちょい心配。
 
そういえば、クバール・スピアンを訪れた人のサイトとかブログとかで“盗掘にあった”として紹介されていることの多かった彫刻については修復作業が終わっておりました。

うーん、ここまで色が違う修復されちゃうと、修復するのがよかったのか、そのまま朽ちさせるのが良かったのか微妙なとこ。。。というわけで、ここまで登ったところでこんな看板が。

はい、こっから先はまた地雷原ですよ、という事でここの遺跡群は終了〜。帰りはちょっと余裕も出てきたので周りのジャングルを眺めてみたり。そういえば、滝の上辺りで、木の上から猿みたいななにかが落ちてきました。

現地の人が保護してるとこですけど、なんでも地元の人も見たことない種類の猿だとか。期せずして“猿も木から落ちる”という言葉のモデルがカンボジアにあったということを…、あ、しつこいですか。もういいって。
しっかし、こんなツタとかうねうねしてるの見ると、近づいた時に襲ってきたりするんじゃないかと考えてみたり。

で、ふと見上げるとそこにはレッドキングとチャンドラーが戦っていて、それを見て恐れをなしたマグラが地中にもぐる、みたいな。はい、ウルトラマン第8話『怪獣無法地帯』より抜粋であります。多々良島かい!。なんか、こーいうジャングルとか探検してるとだんだん精神年齢が下がってくのかな。考えることがガキになってる。ま、平常時から精神年齢・中2くらいですけどね。

*1:唯一リンガについては、そこを流れた水は聖なる水となるため、その川で沐浴するんだといったことがガイドブックに書いてありましたけど、ほかの神の像とかははやり意味不明

*2:余談だけど、書いてきたようにアンコール・ワットの周辺の道ってのは結構ちゃんと舗装されてるんだよね。あの番組ってどこを舗装したの?タイ国境からの道だってのはなんとなく聞いたことあるけど

*3:まさか今度は“ライディーンのモデルになった滝”とか言い出さないよね