アンコール・トム

午前中にもう1軒(軒って…)。言い忘れましたが、遺跡めぐりはオプションでつけた現地ガイドの車で回っているのですが、次は車で行くとほんのちょいのところにあるアンコール・トムに。いや、ほんのちょいの距離といっても実はその間にもタ・ケウ遺跡なんかがあったりもするんですが、有名どころ2軒に挟まれちゃったおかげで思いっきりスルーでした。いや、ここも作ってる途中で王の死により工事が中断したままになってるために、なんの彫刻もなく石が積まれてる感じで、これはこれでいい味出してたんですけどね。
で、本題のアンコール・トムなんですけど、これは城壁に囲まれた巨大な都城がそのまま残っているという感じで、その中にでさらに王宮であったり寺院であったりが点在しているというものなので、とにかく広い。まず最初に勝利の門という、これも当時から残る門をくぐって城壁内に入るんだけど、車でそのまま通れるくらいのでかい門でした。そしてまず見えてくるのが象のテラス。

ってか、写真に象部分が写ってないじゃん。すまん。さらに、右手の先に見えるのがライオンのテラスですと説明され“なんだか象さんにライオンさんってどこの幼稚園のクラスだよ”って思ってよく聞いたら“ライ王のテラス”でした。

そうだよな。王宮に造らせた建造物に次々とかっけー動物の名前つけてくって、んな王はムツゴロウ王国にもいないよ。いや、そんな写真や名前がおろそかになるのはそれ以上の理由がありまして、(ま、暑さのせいも多少あるんですが)、皆が背を向けて象のテラスやらを眺めてるプラサット・スゥル・プラットという等間隔に12個並んだ不思議な佇まいの祠。こっちの方に個人的には惹かれてまして。何に使われたものなのかがイマイチわかっていないらしいんですが、一説にはここに綱を張って綱渡りをしたという説も。何のために?

象のテラスに沿って歩いていくと、バプーオンという寺院が。もうこの頃になると暑さで頭湧いちゃってる頃ですから象の後でこの名前見ちゃった日にゃあ“パオーン”にしか見えてなかったりもするんですけど。なかなかこういう味のある危うい門をくぐって入るというのがいい感じ。ここは修復中のため中には入れなかったんですが、その手前で200m近くある空中参道がちょっとかっこよかったです。
 
そしていよいよ、アンコール・トムのメインイベントとなるのがこのバイヨン寺院です。

広大なアンコール・トムの中心と言われるだけあってかなり複雑な作りになってたり、また中央祠堂を囲むテラスの部分まで登っていけるため、かなり立体的に楽しめます。
 
んで、その中央祠堂とそれを囲む塔がやたらたくさんあるんですが、ここの特徴(っていうか、この頃の仏教寺院の特徴)として、この塔に観世音菩薩とも言われる顔が彫られているんですね。

しかも、それがアシュラマンもびっくりの四面に彫られていると言う。

この四面塔、仏教寺院ではかなり見かけます。以前に『珍寺大道場』でラオスのマッド寺院・ワットシェンクアンの四面六手仏を観た時に“なんだこりゃ?”と思ったのですが、少なくとも四方に顔を彫るというのは、古くからの仏教寺院に当たり前にあるものだったのね。ちなみに、その中で最も美しいと言われている顔がコレ。

なんか、キングオブコメディの今野にしか見えないんですけど…。高橋!サイン会してください!
と言うわけでバイヨンも堪能。南大門をまた車でくぐり、アンコール・トムを後にするのでした。って、門を出た後の参道にも大量の神々の像が行進を。なんだこりゃ(結構、首なしだったりもしてましたが)。