東急田園都市線危機一髪事件

ホントは点滅してるんだけど、滅の瞬間

なんだかんだ言って今週も喉にずっと風邪が残っているにもかかわらず、会社に通い続けていますが。さらに7月の人事異動(ってフツーの会社でも一般的?うちだけ?)を控えて送別会ラッシュという事で、美味くも無い酒を呑み続けてた日にゃあ、体調は悪いままキープ!な感じなんですけど。そんな1週間もようやく乗り切って、金曜日も2次会まで飲んで帰途に。ところが帰りの電車でちょいと寝過ごしまして、折り返しの上り電車を青葉台駅で待っていたんですね。
上りは最終電車という事でそれなりにホームにも人がいまして、しかも朝の車両点検*1をまだ引きずってるのかそれとも前の駅でなにかあったのかわかりませんが、定刻を1〜2分遅れたところで、ようやく電光掲示に“電車がまいります”の文字が出て“最終電車がまいります”のアナウンスがされました。遠くに電車のヘッドライトも見えてきて“ようやく来たかな”と思ったその時です。私は真ん中よりやや後ろ寄り、つまり電車が来る方向寄りで待ってたんですけど、わたしよりさらに電車寄りの15mくらい先に立ってた男性がすとーん!とホームから落ちたですよ。おそらくスーツのサラリーマンじゃないかと思うんですけど、それも近づく電車のヘッドライトで逆光状態になっていてよくわからない感じ。それくらい電車が近づいている状況で落ちた人は元々酔っ払っていたのか、落ちて怪我でもしたのかわかりませんが、線路のレールとレールの間、まさに電車が近づいてくる真正面に横たわってしまったんです。
“危ない!”
私が叫ぶまでもなくあちこちで声が聞こえましたが、こういう時ってネタあわせしてなくてもみんな同じこと叫ぶもんですね。そういうゲームだったらよかったんですが。ただいくら叫んでも奴の命は刻一刻と消えかかっているわけで。で、そんな時頭をよぎるのがよく聞く“とっさにホームに飛び降りて人命救助した人”のエピソードなんですけどね。私あーいうニュースを聞くたびに常々思っていたことがありまして、あれってたまたま命が救えたから美談になってるけど失敗しちゃったら被害者増やしちゃうだけじゃん、だから本来は緊急停止ボタン押して電車止められればそっちの方がいいんだよな、という事。そうだ、新大久保駅の事件以来目立つようになったあのボタンを押さなきゃ!ボタンはどこだー!と(なぜか)両手を広げて振り返り(渡辺リーダーの“待たせたなぁ”のポーズ風)、ボタンを探すと、なんと伸ばした私の手の30cm先にあるじゃないですか、あの黄色ベースに赤いボタンが。叫んでこの段落に入ってからここまでわずか0.8秒あまり(体感時間)。そのまま緊急停止ボタンをプーッシュ!
“奴の命は俺が救う!!”
などとは叫んじゃいないですけどね。駅中の緊急ボタンが赤く点滅しサイレンが鳴り響きました。そして近づいてくる電車が!!…。止まりません……。ボタンに書かれた説明では運転手にも信号は伝わってるはずなんで、おそらくブレーキはかかってるんでしょうが、無常にも駅に近づいてくる電車。うわぁ、人が死ぬ瞬間見ちゃうかも!と思った刹那、付近のホームから2人の人が飛び降りて、落ちた男の手を引き反対側の線路まで引っ張って…、とそこまで見えたところでその行方は駅に入ってきた電車に隠されてしまいました。無常にもボタンを押した私の前をも通り過ぎて、おそらく半分以上ホームに入ったところでようやく止まる電車。奴は助かったの!?なんとなく隣の線路に逃げたところまで見えたような気もしたんで助かったんじゃないかという期待だけにすがりつつ、でもよく考えたら反対側のホームにも2分遅れくらいで電車入ってくるはずじゃ、なんてのも頭をよぎったりして(寝過ごしたため一旦向こうのホームで電車降りてるので、その辺も覚えてたのです)。現場方面に走る数人の駅員。そして、気づいたらその瞬間までボタンを押しっぱなしだった俺。いや、だってこんなボタンなんて、フツー一生押すことなんて無いだろうって思ってるもんだし、そんなもん押しちゃって、でも目の前では人一人の命が消えたかもしれなくって、なんて状況だったらそりゃビビっちゃってボタンから手が離れなくなっちゃうのもアリでしょ。我に帰ってボタンから手を離し、なんかやじうまで近づくのもはばかれる状況だったんで“とりあえず俺はこのボタンを死守(意味不明)”ってな感じでボタンの前に立ち尽くしていたら、どうやら助かって反対側のホームに引き上げられたんじゃないかくらいの噂話も聞こえてきて。ってな頃になって回ってきた駅員がボタンを操作しサイレンを解除し(死守できず…って何を?)、電車も正しい位置に動いた上でドアも開いたので、そこでようやく“助かったんだな”と。
電車に乗って向こうのホームをみると、なんとなく車椅子に座った人らしきモノも見えたしね。アレが落ちた人かな。電車は点検等でしばらく止まったままでしたが、20分弱くらい遅れて最終電車は私を乗せ、再び走り出しました*2。車内のアナウンスでは“ただいま、駅の緊急停止ボタンが2回押されたため、点検のため緊急停止いたしました。電車が遅れたことをお詫び申し上げます”と。なんだ?2回って。誰か俺の手柄を取ろうと思って後付でもう1回押してないか?ってか、ひょっとして俺が押しっぱなしだったから2回にカウントされてるのか?などと考えてたりもしたのですが、しばらく、上述のアナウンスが繰り返し放送される車内。すると、繰り返し聞いているうちに、なんか緊急停止ボタンが押されたおかげで電車が止まったんじゃないか?なんか俺が悪いことしたんじゃないか?って気になってきた。なんで、あーいう言い方するんだろう。それこそ助かったんだから“ただいまホームからお客様が落下いたしましたが、間一髪のところで一命を取り留めました。電車が遅れてご迷惑をおかけしましたがご理解のほどよろしく…”位のこと言えばいいじゃん。ちょっと人命救助くらいの気持ちになってたのに、すこし気分悪かったです。ま、車内でかなり酒の入ったおっちゃんグループ(同じく青葉台駅から乗り込んだ)が“咄嗟に助けた奴も凄いけど、落ち着いて非常ボタン押した奴も偉えよな”と興奮気味に話してくれてたのが聞こえたのはちょっと救いでしたが。
そんなわけで、今は警察から人命救助補佐(?)で表彰されるんじゃないかと思って、連絡をまってる状態なんですけどね。まだ連絡はありません。唯一のネックは、自分がボタンを押したって事を警察にも駅員にも誰にも話してないことでしょうか。でも警察もどうしても俺を表彰したかったらボタンについた指紋から割り出して連絡してくるんじゃないか、と。ひょんなことから俺の指紋、神奈川県警にあるはずだしね(おいおい…)。


俺内ランキング(2006.6.30現在)

  1. 緊急停止ボタン(人命救助気取り)
  2. ブルボン スパークリングゼリーコーラ(食品)
  3. 佐藤充5試合連続完投勝利:ヤクルト×中日6回戦(プロ野球
  4. パペットマペットに捧げるうた』:白井ヴィンセント(音楽)
  5. たまごダブルマック:マクドナルド(食品)
  6. ディスカバリーチャンネル 密林の至宝:アンコールワット』(DVD)
  7. ビオレさらさらシートのCMの相武紗季(芸能人)
  8. TRICK劇場版2』(映画)
  9. 『なんでもアリなんです』:『古畑任三郎』でよくプライベートで事件に遭遇する古畑が“なんでもアリとは如何なものか?”というハガキに答えての発言(名言)*3
  10. ドイツ×アルゼンチン:W杯準々決勝(サッカー)

次点:バファリンプラス(薬)

*1:朝も10分以上電車が遅れた

*2:緊急停止した位置で、どっかのバカ2〜3人が車内の緊急ドア開けレバーを引いて駅に降りたらしく、おかげでさらに遅れたりもしたんだけどね。あいつらからは真剣に遅延の損害賠償取っていいんじゃないか?

*3:しっかし、昨年9月30日のブログでも書いたけど、田園都市線でニュース沙汰に遭遇しすぎ、俺。古畑じゃないけどなんでもアリかよ!?この名言はまさに今の私を指す言葉と言うことで