若竹七海『海神(ネプチューン)の晩餐』

若竹七海の客船モノミステリーは『名探偵は密航中』が面白かったんでこの本も手にしてみた。氷川丸が香港から横濱を経由して晩香波(バンクーバー)にたどり着くまでの一等客船を舞台にしたミステリー。とはいっても、なにかでっかい事件が起きるわけではなく、ストーリーはそこに乗り合わせた人々の人間模様が中心に展開する。その中で、タイタニック号沈没の際に持ち出されたとする探偵小説原稿の結末推理や、その原稿に記された謎の乱数表、原稿の盗難未遂、金髪の幽霊、客室内での死体騒動、殺人未遂事件といった出来事が平行し、またクロスオーバーしながら展開する感じ。当然、個々の事件の謎も面白いんですが、やはりこの人の旅行ミステリーはそこで一緒に旅してる感じになれるのが良い。なんて、豪華客船での旅、それも昭和初期の金持ちの道楽なんかは全く感覚わかんないんですけどね。と思って、氷川丸ホームページの船内観覧コースを見てみたら、まさにこの小説の舞台である船内や客室も見れて、さらに風波シミュレーションで小説内でも横濱を出て旅の前半に起こるシケを体験できるのね。これは、ここを見学したあとボートデッキのカフェで読んだらかなり入り込める話かも。
ちなみにこの話、探偵小説好きにとってはかなり面白いネタがあちこち(主人公の名前とか乗り合わせた中国人警部とか)にちりばめられているらしいんですけど、その辺はちょっとわからず。ただ個人的にひっかかったのは、物語の前半。主人公が旅立つ前の描写で“東中野城山”とか“谷戸”とかの私が生まれ育った場所の、それも現在の地図にはない地元の人しか知らないような昔の地名が出てきたところ。昭和初期を舞台とした小説を書くとなるとその辺まで凝って調べるものなのかな。でも、ストーリー上全くココである必然性もない地名だからな。ひょっとして若竹七海もこの辺の出身なのかな(プロフィール上は一応東京都だし)。


俺内ランキング(2006.6.2現在)

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次点:上乗せおにぎり ハムカツドライカレー:サンクス(食品)

*1:正直、今年佐藤と朝倉がここまで勝ちが計算できるピッチングをしてくれるとは思ってなかったです。うれしきこと。

*2:これ書いた後“おぱっぱい”で検索すると結構ひっかかるのね。打ち間違いとかの誤字ではないと思うんだけどなぁ。みんなそんなにおっぱいに必死か!?…って、これ書いたことでウチもそんなサイトの仲間入りなのね