三都−一都物語 中編

ちょっと字が小さくて読めないかな

2日目はホントに直前まで行くところが決まっていなかったんですね。で、いろいろガイドブックとか漁っているうちに思いついた。“そうだ、京都へ行こう”しつこいって?。いや、そーではなくて、その“京都へ行こう”のポスターで、前に霧の中に妖しく浮かび上がる寺の写真があって印象的だったのを思い出して、あれはどこなんだろう?と調べてみると鞍馬寺だと。お、天狗だ。なるほど、みうらじゅんさんが提唱する天狗ブームはちゃんとJRの広告にまで浸透していたのね。
というわけで街中をちょい離れて鞍馬寺へ。行ってみたらかなり自然満載の山奥だった。やはり東京出身の人間からすると天狗の山といえば高尾山なので、高尾山口駅の天狗の像みたいなウエルカム天狗を期待してたんだけど、なんかハリボテ風の大天狗の顔があるくらいの駅だったな。駅から並ぶ商店にはキーホルダーとかの天狗グッズが結構売ってましたけど(ストラップがあったら買いたかった)。
そこからは、もう完全な山登りです。鞍馬寺の山門からして急な階段のを上った先にありました。で、よく見たら、この山門が広告に使われていた風景だ。今日は雲ひとつ無い晴天なので、ポスターでの霧の風景とはかなり趣が違いましたが、京都のミステリーゾーンの入り口に来たのだなと思ってみたり。

そこからは、フツーに階段だったりそれこそ山道だったりを登っていくとたまにお堂があったり神社があったりなにかの碑があったりってな事でそれを転々と見ていく感じで、そこここにサービス精神旺盛に天狗が飾ってあったりということは無いところなんですけどね。ま、それやっちゃったら雰囲気出ないし。ただ、鞍馬寺では本尊のひとつが護法魔王尊であり、あちこちにこの“魔王”っていうワードを見かけてなんか楽しかったりする。なんか、雨漏りみたいなちょろちょろした水に“魔王の滝”なんて名前がついていて“魔王の滝で滝行をしないで下さい”って書いてあるのはなにかおかしかった。魔王って…。あとこんなとこじゃ修行にならないし…。

そういえば、この辺の鞍馬山義経が幼少の頃に、それこそ天狗に習って修行をしたという事でも有名なあたりで、それ関係の見所なんかもいくつかあるのですが、そんな中、義経堂に天狗と出会って修行を始めるに至ったエピソードが書かれていた。なんでも、修行のために鞍馬山に来たところ妙な山伏が居たのでなんか興ざめして皆は帰ってしまったのだが、義経だけがなんか帰るタイミングを失っちゃって、そうしたらその山伏が声をかけてきたのだという。“私は大天狗だ”と。そこから修行が始まったって言うんだけど、えぇっ、それって“自称天狗”じゃん。公園で“王貞治にバッティングを教えたのはおじさんなんだよ”と言って近づいてくることで子供たちから煙たがられている自称名球会おじさんとかと変わらないレベルなんじゃ…。義経って現代だったらあっさり詐欺とかにひっかりそうなタイプだったのでは。
そして、この鞍馬寺の最も奥、奥の院にあるのが魔王殿です。ガイドブックを読んでいて鞍馬寺に魅かれた理由のひとつがここの言われで、なんでも650万年前に人類救済の使命を帯び金星から光臨した魔王尊を祀っているとの事。すごいな、金星から来た魔王ですよ。小学生の会話でしか出てこないような単語がこれだけ由緒ある寺で語られていると言うのはなんともいい味出しております。実際の魔王殿はなにがあるってとこではなかったんですが*1、ちょい手前の鞍馬寺本殿でも木製の看板に毛筆で“宇宙エネルギー”とか書かれていたり、なんかそれだけでもわざわざ来た甲斐がありました(そういえば、その本殿。観光客のほっとんどが素通りしていたんですが地下に降りる階段があって、そこは真っ暗な中かなり妖しい空間でちょっと楽しかったです。*2)。

その後は、鞍馬寺を抜けて貴船神社の方へ。実はココも“そうだ京都へ行こう”のポスターに使われたことのあるところで、貴船川の滝が見える川床で食事を出す店が多いことで有名なんですが、予約をしていかなかったのと、飛び込みで入れるようなところはお高い店が多いので見物だけして下山。いや、なかなか修学旅行では見れなかった京都を見れた一日でした。その後、思いのほか鞍馬からの帰りのバス*3が渋滞にはまったおかげで、実は京都で一番好きなスポットでもある京都駅がじっくり見れなかったりもしつつ、また、昨日と違いフツーに休日ということもあって1ヶ月前の思いつきでは京都に宿が取れなかったってのもあり(ほかにも事情があったりで)、このあと京都を後にして在来線で神戸へと向かうのでした*4


俺内ランキング(2006.5.3現在)

  1. 鞍馬寺(社寺)
  2. 京都駅(駅)*5
  3. 京都(旅)
  4. 安田美沙子(芸能人)
  5. 煮込みハンバーグシチュー:洋食屋神戸デュシャン(食品)
  6. 福留孝介9号本塁打:中日×横浜4回戦(プロ野球*6
  7. 自称大天狗(山伏)
  8. 自称金星人(魔王)
  9. 貴船神社(社寺)
  10. 英智決勝の2点打:中日×横浜4回戦(プロ野球

次点:高台寺・夜間拝観(社寺)『アパートのテーマ Ver.1.0』:白井ヴィンセント(音楽)

*1:ちなみに、朝の星占いが“期待しすぎるな”だったのでこの辺は覚悟の上でした

*2:本来は真剣に髪の毛を奉納して祈願を行う場所なんですけど

*3:正確には出町柳からのバスだな。そこまでは叡山線

*4:なんか今日の内容って、義経が出てきてそのあと金星(ヴィーナス)が出てきて、で最期に滝でしょ。なんとかッキー&つばなんとかのファン辺りが検索したら引っかかりそうな文章だな

*5:とりあえずJRがどこかから銀河鉄道を就航させるのであれば、始発は京都駅であるべき。じゃなきゃ、あのデザインはありえない!かっこいい!

*6:打った瞬間ホームランとわかる孝介の見ていて一番痺れる一打