ナイロン100℃『カラフルメリィでオハヨ〜いつもの軽い致命傷の朝〜』

会社帰りに下北の本多劇場へ。この間のは劇団健康だったし、ナイロンを観るのは実は結構久しぶりだったりする。って、そんなに観ているわけではないんですけどね。数えるほどしか見ていませんから。この『カラフルメリィでオハヨ』も健康時代から数えると4回目の上演らしいのですが、私にとっては初めてになります。
で、感想としてはとりあえず上演時間を知らなかったので、3時間強の公演だとは思わなかった。途中の三上市朗さんの“10分間の休憩!”ってのギャグだと思ってたし。会社帰りの、それも疲れが蓄積しているところでってのは腰に来ました*1。ただ、内容的にはとにかく不条理で不謹慎なネタの波状攻撃なんで飽きることなく突破できましたけどね。
前半は、イヌコさんが以前にラジベガスで説明していた分類で言うところの、どっちかというと“劇団健康”的な展開。行われている事が無意味なのか伏線なのか。不条理ネタかと思いきやストレートなギャグだったり。とにかく、話を理解しようと思っちゃうとますますわかんなくなっちゃうんで、流されて笑ってまえって感じ(ま“健康”的になるのは、健康時代の戯曲ですから当たり前なんですけど)。それが後半になると、家の中でのシーンではそれぞれのストーリーがちゃんと重なり合って流れるようになって、ちょいナイロンっぽい展開になってきた。…かと思いきや、最後の逃げるシーンはショートコント集かよっ、てな感じで。まぁ、とにかく見終わって燃えつきた後の感覚としては、なんか覚えてないんだけどすっごい面白い夢をいくつもの見た感覚だけある目覚め、それも周りからは“なんか魘されてたみたいだよ”って言われちゃうみたいな、そんな朝の感じによく似ております(非常にわかりにくい例えですね)。
役者としては、(客演になっちゃうんですが)山崎一さんの壊れた無理問答みたいな会話台詞を淡々としゃべる演技はすごかったです。さすがです。あとは、あらゆる方向性に飛び散るギャグを全部自分のツッコミで返す大倉孝二さんも独自のカラーが出ている感じがしました。はい。
ちなみに、今回は土日の公演が全く取れず、さらにスケジュールの関係でこの日になっちゃったのですが、このクラスの劇団の公演を初日に観るってのははじめてかも。よく、長丁場の舞台だと初日とかはまだ出来上がってなくて、なんて話も聞くんで“なんかカミカミの舞台だったらどうしよう”なんて要らん心配しちゃったりしてたんですけど、全然んなことなかったですね。ギャグも完璧にかみ合ってるし。ただ、カーテンコールの時に大倉さんがかなり苦虫噛み潰したような表情をしてたのが気になったんですけどね。なにか納得いかない出来だったとかか!?(って、元々あーいう顔だよってだけな気もかなりしますけど…)。

*1:決して歳のせいではない!