カサンドラ・クロス*1

なんかとりあえず人事異動とかそんなのがある時期なもんで、送別やら何やらで義務感だけの誰が楽しんでるんだかわからないような酒を毎日飲まされているんですが、そんな感じで乗り込んだ終電間際の電車。やはり同様の状態だった人も多いようで、その中のひとりが吐瀉ってしまったんですね。ま、その辺の描写はリアルに書くもんじゃないんでご想像にまかせるとして(想像させるなって)、とりあえず自分は少し離れたところにいたし被害も無かったんで、満員電車の中で唯一ひとがいない空間となっているそのドア前付近に、乗ろうとして驚いて去っていく人のリアクションを見て楽しんでたりしたんですけどね。
ところが、そのまま電車は走り続けていたんですが、とある駅で情報を聞きつけた駅員が乗り込んできたところから事態は急変。その駅員、電車を長時間止めるわけにいかないとかで“とりあえず応急処理します”とか言ってその上に新聞紙をかけていったんですね。たしかに、見た目は隠れましたので良いのかもしれません。しかし、車内は匂いを拡散させるために窓をあけている状態ですから、電車が走り出したとたんその新聞紙がふわふわ風にそよぎだしまして。もう、いつ浮き上がって、吐瀉物を大量に含んだ状態で車内を飛び回ってもおかしくない状態。異様な緊張感が車内にひろがりました。もう、駅員もそれくらい想像つくだろ。新聞かぶせたらすぐに降りずに、お前が重しとして上に乗っとけよという無理な考えもおこしたくなるくらいの恐ろしさでした。
ところがそんな中、常人とは違う考えの人がいたようで。吐瀉物に一番近い位置に座っていた色白の学生風なんですけど。その吐瀉物の上でそよぐ新聞紙をみて、かつおぶしを連想したらしく、ボソッと一言“なんかお好み焼き食べたくなっちゃった”。って、逆だろ。“食べたくなくなっちゃった”とか“食べられなくなっちゃった”ならわかるよ。なんだ?お前は。なにもんだ?スカトなんとかかよっ!