『マッハ!!!!!!!!』

いとうせいこうオールナイトニッポン』で『トムヤムクン』を紹介する際に、昨年のファンタスティック映画祭でのタイ映画旋風の話をしていて、その中で耳にした映画。レンタル店で並んでいるのは目にしていたが、これがタイ映画であるという認識はなく、正直言って『小林サッカー』の二番煎じ映画かなんかだと思っていた(でもレンタル店ってそういうディスプレイの仕方してるとこ多いよね)。
タイ映画というと自分の中では『ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団』しか認識していない感じ(ま、あれは舞台がタイでハヌマーンが出ているというだけで、円谷の映画だけどね)なので、ちゃんと見るのははじめて。CGやスタントマン、早回しなどをいっさい使わないアクションというのがウリらしく、最近のアジア映画にありがちなワイヤーアクションも無い。基本的には香港のカンフーモノの映画を彷彿とさせる感じなんですが、基本がムエタイであるため、カンフーモノに慣れていると肘・膝を使った動きが予期せぬ展開となって“おおっ”って感じ。さらに、バンコクの狭い町並みの中を逃げ回り、輪っか状の鉄条網を持って歩いてる人がいるみたいな強引なお約束は、やはり香港映画でも定番の展開なのですが、ジャッキーチェンだったらここは派手に壁をぶち破ったり豪快に見せそうかなというところを、2枚のガラスの間を1回転ひねりですり抜けたり、走ってくる車の下をくぐったりという感じでしなやかにかわしていく感じは新鮮ですね(炎の中から登場して、足に火をつけてのキックってのは斬新すぎ)。
ストーリーは単純明快で、悪者に盗まれた仏像の首を取り戻しにいくというだけの話で(その悪者たちは、実はその仏像の首に関してはそんなに関心は無く、ただ損をさせられた腹いせに渡さないでいるって所はちょっと好き)、アクション中心でシリアスに展開するんだけど、おそらく唯一くらいのギャグとして、追っ手から逃げてる最中に屋台の包丁を手にして形勢逆転…と思いきや、そこに包丁売りが歩いてくるというネタはストレート過ぎで逆にOKでした。
ちなみに、ヒロインというか、主人公サイドの人物として登場するムエ役の女優さん、ブマワーリー・ヨートガモンのボーイッシュであっけらかんとした感じはちょっとアリ。日本で言うとひと昔前の雰囲気で、例えるならデビューした頃の芹沢直美から化粧っ気とかを一切取り除いて自然にした感じとでも言いましょうか。超つり目なのに笑うと愛嬌のある表情が良いですね。あとは、主役で井口似のトニー・ジャームエタイね。こういうアクションのために4年修行したという動きはさすがで、1対1の闘いなんかでもかなり迫力がありました。以前、映画の舞台となっているバンコクに行った際に、ムエタイの試合だけは見たかったんだけど、偶然、タイ中が国葬で喪に服している時で試合が中止になってたんだよね。改めてムエタイを見に、またタイに行きたくなってしまったよ。うん。


俺内ランキング(2005.10.26現在)

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*1:今回気付いたんだけど、ボビーのインタビューって発言は通訳通してるけど、日本語のヒアリングはフツーに出来てるのね。そんなボビーがあえてここだけ日本語で言ったからこそ素晴らしい一言。とにかくおめでとうございます