『亀は意外と速く泳ぐ』

ずっと観たかったんですが、なんかここんとこ忙しいし(そもそも会社が早く終わってもレイトショーが無いんで観れないんだけどね)、ということでようやく観てきました。
ひょんな事からスパイになった平凡な主婦が主人公の脱力系ムービー、と言う振れこみ。とは言っても、とにかく周りを取り巻く人間が変すぎるだけであって、この主人公の片倉スズメだってとことん平凡ってわけではないですけどね。原色が中心の部屋だったり“北風の音がする扇風機”を開発したエピソードだったり。でも、(緑が基調なところは置いといて…)そのファッションだったり、“街なかの百段階段30秒で登ってみよう”ってなささやかな“遊び”を生活の中でやってみたりというのが“いかにも”な平凡な主婦のイメージで。そんな23歳の主婦の役を、見事に17歳の上野樹里が演じております。ちょっとした仕草とかが普通っぽく感じられていいんです。
ただ、そんな中でも独特の“上野樹里リアクション”がちょこちょこ入っています。“おえぁ〜”って驚きおののくところだったり“いやいやいやいや”って否定するところだったり。彼女の演技にハマると、こう言う所がいちいち良いんですよね。もちろん、周りを固める役者陣も良すぎです。無駄に踊りが上手い永久パーマの店長役の温水洋一だったり、ふせえりのあずきパンダちゃんの歌だったり。父親役の岡本信人の“お茶もコーヒーも無いからお湯でいいかぁ?”はかなり笑った。それに、普通に“いいよ”と返すスズメはやっぱり平凡じゃないだろ。それ以外に小ネタもかなり多くて、ぬるぬるとかオーザックとかバネとか全然ストーリーに関係無いんだよね。
ちなみに、街なかの百段階段でみつけたスパイの広告(パンフレットの「ストーリー」では駅の階段でみつける事になっているんですが、ロケハンしてたら良い階段がみつかっちゃったんで変更したって感じなのかな)。連絡先は045だったんだけど、設定は横浜なんだろうか。たしかに坂道は多いけど、海岸の感じから商店街からあきらかに三浦なんですけどね。ま、同じ県内なんですが。あんな時間がゆっくり流れていそうな良い感じのところあるのね。特に、友人のクジャクが住んでいた洞窟の家最高。夏休みにドライブがてらあの辺行ってみようかな。
とにかく、全編見終わった後で、なにか教訓だったり人生の糧になるような知識が身についたりと言うことは一切無く、なにも残るモノは無いのですが、観ている時とそこから後をひいているしばらくの間は確実に“少し幸せ”になれている映画でした。良すぎ。


俺内ランキング(2005.7.16現在)

  1. 亀は意外と速く泳ぐ』(映画)
  2. 上野樹里(芸能人)
  3. 依頼人は死んだ』:若竹七海(書籍)
  4. ペッパーチーズダブルビーフマクドナルド(食品)
  5. 『すべり台』:『Jam Films S』のショートストーリーの1篇(映画)
  6. バブルマン ソーダジェット(飲料)
  7. 『お茶もコーヒーも無いからお湯でいいかぁ?』:『亀は意外と速く泳ぐ』で実家に帰ってきたスズメに対する父親役の岡本信人(名言)
  8. つぼ焼きコンビ(ストロガノフ):マトリョーシカ(食品)
  9. 『南風』:レミオロメン(音楽)
  10. ハバネロソーセージおにぎり:ミニストップ(食品)

次点:『たほいや』:CX(懐かしテレビ)