栗本薫『ぼくらの時代』

続けて若竹七海を読んでも良かったんだけど、その前にこの本買ってたんで。まぁ『スクランブル』の中で主人公が読んでた本の中にも栗本薫があったし(この本ではなかったが)、そのつながりでいいかな、と。それにしても、なんか最近読む本の時代がどんどん古くなってる気が。初出が昭和53年だって。うわ。
内容も、テレビ曲とかが舞台なのだが、なんかひと昔前のコントとかに出て来そうないかにもなディレクターが(特に記述はなかったけど、トレーナーを首に巻いて指鳴らしてそう)業界用語使いまくりでしゃべってるし、やはりかなり古いタイプの“うんこもしない様なアイドル”が出てくるしで(名前があい光彦だって…)、読んでてすごい恥ずかしい。
で、その昭和53年に江戸川乱歩賞を受賞した作品ということですから、過去の名作ということですが、読後の感想としては、それって賛否両論とかなかったのかなぁ。いや、つまらないって事じゃなくって、この書き方でこの展開だと“アンフェアだ”と考える人もいたのではないかと思うんですけどね、特に“推理小説”としては。私的には、まあアリかなと思いますけどね(ちょっと、殊能将之鏡の中は日曜日』の作品中の架空の著作『阿修羅寺事件』のバカっぽさも想像させたけどね)。
ちなみに、ラストの一つ手前で使われたトリックは、なんか小学〇年生の付録の推理ブックとかに出てきそうなトリックで、こんなんで良いの?って思ったりもしたんですが、よく考えたら、年代的にこの本の方がオリジナルだったんだろうな、たぶん。