大槻ケンヂ『オーケンの散歩マン旅マン』

なんか不意にオーケンの紀行文を読んでみたくなった。で、当初はとある理由から『オーケンののほほんと熱い国へ行く』を読む予定だったんだけど、ちらっと見てみたら“なんかこれは本当に南国のリゾートとかでぼーっとしながら読みたい”なんて思ってしまった。どーせ、そんな予定も無く、普通に日本で読み始めるくせに。まぁ、そんなわけで、もう1冊買った『オーケンの散歩マン旅マン』の方から先に。こちらもインドなど海外を旅した話もあるんだが、どっちかというと筋少のツアーとかで国内を回ってる時の話が中心。
ちなみにオーケンのラジオやエッセイはいつのモノかによって、考え方や精神状態が全然違うので、ほかのオーケンの本と同じに思って読んでいたりすると、全然違う事言ってたりする。みてみると、この本は99年頃、筋少の活動を休止、脱退するちょい前くらいに書かれたモノのようだ。う〜ん、確かにコンサートツアー中の話が書かれている所では、常に自分が音楽で表現する事へ疑問を感じ苦悩して、バンドを辞めた後のことばかり考えているようだ。ともすれば、2000年筋少の方向性についてネット上で追いこまれてついに脱退してしまった頃の事を思い出し、いたたまれなくなってしまいそうな頃の文章だが、どうやら最近内田さんとも“仲直り”したようなので、のほほんと読む事が出来た。
この本、基本は旅先でのエッセイという事である。で、オーケンは必ず“旅友本”を持って旅に出る。そのため、いつの間にか旅に関係無く、読んでいる本の内容に終始してしまってたりもする。でも、よく考えると、それってめちゃめちゃ優雅な旅だよね。どこか行ったからって、やれ観光だと走りまわるのではなく、電車の中で、宿で、海を見ながら本を読む、と。コレほど贅沢な旅は無いぞ。この本の中では、オーケンが温泉にこっそり文庫本を持ちこんで、湯の中で読書をする話がある。しまったなぁ、この間万座温泉行った時、夜も朝も露天風呂俺ひとりだったし、コレやっとけばよかった。
ま、ほぼ1日で一気に読んでしまったんですが、軽〜い感じで、しかし“こんなさすらい方してみたい”と思わせてくれる1冊でした。特に、オーケンが都内で温泉に入ろうとして、まず文庫本を買ったらやはり熱海まで行きたくなり、熱海の直前で海が見えた所で不意に電車から降り、そこでカレーを食って満足したので熱海には行かずに帰る話は最高。良い放浪っぷりです。
ちなみに、オーケンは私の隣の中学出身なので、昔の話をしてるところだと行動範囲が近かったりするんですが、そこで出てくる“高円寺の小人の家”ってのは知らないなぁ。高校時代はチャリ通で毎日通ってたあたりなんだけどね。非常に興味あります。


俺内ランキング(2005.5.24現在)

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