泡坂妻夫『しあわせの書』
ジャンルで言えばミステリなんでしょうけど、人が死ぬわけでもない。ガンジー、不動丸、美保子の3人がなんらかのトリックによって仕組まれた謎を解明するストーリー。となると、これ20年近く前の本ですが、今で言うところのドラマ『トリック』の様な感じの話ですね。そういえば、宗教団体の内部に入りこんで、読心術の謎や行の裏に隠された秘密を…という展開も『トリック1』の母之泉の話を彷彿とさせる感じ。20年も前に既にこんなストーリーがあったとは。
ちなみに、読み始めた当初は、なんか登場人物の名前も難しくて覚えにくいし、このガンジー、不動丸、美保子の関係やキャラも掴みづらい、と思っていたんですが、あとがき読んだらシリーズモノの何篇目かなんですね、コレ。どうりで（シリーズのほかの本も興味あるけど、読もうと思ったらまだ買えるモノなのかなぁ）。
まぁ、ストーリーのメイントリックはそこそこでしたが、驚きもありそれなりに面白かったです。で、問題は最後の最後。ストーリー的にはおまけのような部分なんですが、そこにこの本の最大の秘密であり、驚愕のトリックが隠されておりました。…って実は、私、このトリックは読む前から知っちゃってたんですけどね。もし、知らないで読んでいたら、ラストできっと驚愕しただろうし、知ってても改めて驚ける内容でした。本の最初のページに『シックスセンス』のオープニングのようなお約束が書いてありますのでその内容は書きませんが、そうですね、以下のような術を使える超能力者があなたの周りにいて、すげー！信じてる！という方はご一読を。
まず、私が本のページをパラパラと繰っていきます。
私が本を繰って行く間、どこでも好きな所でストップをかけてください。
そのページ数を覚えたら、口に出さずに本を閉じてください。
そうしたら、私に見えない様にその本を開いて、そのページを開き、最初に出ている単語を心に思ってください。
あなたが思った単語は〇〇〇ですね。
このトリックに挑戦したい人もね、是非。
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