折原一『チェーンレター』

うちから車で3〜4分行ったとこの書店。去年、もう少し行ったところに大型書店が出来たため、本当はそっちに行った方が目当ての本があるのですが、今でも時々チェックしに行きます。というのが、ここの店員が時々作るミステリー系の“おすすめ本コーナー”が非常に好みに合うんです(ここで、我孫子武丸の『殺戮にいたる病』と東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』に出会った)。で、今回はミステリーではなくどっちかと言うとホラーのおすすめだったのですが(さらに、わたしがどうも抵抗のある吉村達也をすすめてたのがちょっと気になったのですが…)、そこから買った1冊が『チェーンレター』です。
数年前、それこそチェーンレターで流行った“棒の手紙”を題材にしたホラー。その書店で“二転三転するストーリー”とのおすすめ文だったのですが、第2章までの“あの手口”はなんとなく読める。さらにその後のあの2人の関係も途中でなんとなくわかってはいたのですが、そこで終わりと思いきやまだ100ページ近くあるじゃん!って感じ。そこからさらに転がる転がる。なんか一つ一つが短編に出来そうなネタを繋げましたって感じの話でした。ま、一番最後の大オチは、あの人のベストセラーで経験しちゃってたんで驚きは少なかったんですが(書かれたのは『チェーンレター』の方が早い)、そこまでの一つ一つの迫り来る恐怖は鈴木光司の『リング』のような感じで楽しめましたね(っていうか、『リング』の恐さ自体が“不幸の手紙”の不気味さと同じモノなんで、当然っちゃあ当然なんですが)。あと、“棒の手紙”という身近な(?)ものがテーマだと言うのもあって“この先どうなるんだろう?”のほかに“俺ならこう逃げるな”も考えてたりっていう楽しみ方もある本でしたね。ホラーで楽しむなって話もありますが…。