小林信彦『怪物がめざめる夜』

去年、伊集院さんが『Oh!デカ』の復刻特番をLFでやった時に、垣花アナとの会話で取り上げられていた本。それ以来、ブックオフとか行くたびチェックはしていたんだけど、この度ようやく隣の区のブックオフにて入手いたしました。
架空の存在であったコラムニストがラジオパーソナリティとして実体を持つようになり、それから…という話。ま、内容云々の前に、この主人公の放送作家が担当し、架空のコラムニスト“ミスターJ”が最初に出演する様になる番組は、放送局が新宿区にあるという設定や、番組の内容、この本が書かれた時期*1等を考えると、まずモデルはQR吉田照美のやる気MANMAN!』と思われる。で、ミスターJが後に別の放送局に移って担当する番組は明かにLFの『オールナイトニッポン』(を帯でやる感じ)。なにしろ、そこの放送局が“旬の物だけの東都放送”って言われちゃってるくらいだし(LFといえば“いい時だけのニッポン放送”)。ただ、このミスターJ、ラジオにはやるMANモデルの番組の外回りレポーター(つまりやるMANで言うお助けマンね)から出てくる設定なんだけど、むしろこのミスターJになる神保という男のしゃべり方の部分については『てるてるワイド』時代の照美さんのイメージなんじゃないかと思います。
てなわけで、『吉田照美のてるてるワイド』*2からラジオを聴き始めて、学生時代を『オールナイトニッポン』と共に過ごした私にとっては、場面設定にはめちゃめちゃ入りやすく、またそんなに厚い本でもないため、だらだら読む私にしては一気に読んでしまいました(mk2さんのレビューでエロ描写がストーリーには全く不要って事がわかってたので、そこを適当に読んで行けたのもよかったかも)。ま、私にとっての『てるてるワイド』の部分が『Oh!デカ』の人でも、あれはあれで世間を動かすパワーをもった番組だったし伝説も作ってるので充分楽しめるとは思います。ただ、今まさに現役深夜放送世代で、たまたまあの『Oh!デカ』復刻番を聴いてこの本に興味をもった人とかは、どう観てるんだろう?ラジオにこれだけ影響力があったって事が理解できるのかなぁ?
で、私にとって、この本で唯一のネックだったのは、前述の神保というキャラクターが“やるMANモデルの番組で外回りのレポーターを担当するアナウンサーでないタレント”というところから出てきたため、俺内でビジュアルがなべやかんになっちゃってたんだよねぇ。後にカリスマDJになるキャラなんで、ここだけギャップがありました。


俺内ランキング(2005.1.12現在)

  1. 『怪物がめざめる夜』:小林信彦(書籍)
  2. 時空警察捜査一課』シリーズ:NTV(テレビ)
  3. 『恋のアウトボート』:橋幸夫(懐かし音楽)
  4. イグザンプラー』(ネット放送)
  5. ファンタウィンターアップル【冬季限定】(飲料)
  6. 美食家ロッシーニ風牛フィレ肉のステーキ:デニーズ(食品)
  7. 『北島ウインクハート』:TX(テレビ番組名)
  8. 竹内香苗:TBS(アナウンサー)
  9. 『辞書とはひとつの読み物である』:CX『ジャポニカロゴス』におけるタモリ(名言)
  10. 村上史麻:リクルートスタッフィングの広告(派遣スタッフ)

次点:アンチョビペーストかけご飯(ご飯にかけて美味いもの)

*1:1992年。ちなみに、文庫の解説で宮部みゆきさんが“ラジオ番組の中で実体のない架空のアイドルが誕生するなどと言うこともまだ起っていませんでした”って書いてますが、芳賀ゆいは1990年なんでこの本より前ですよ!念のため。

*2:ま、正確に言うと思いっきりハマったのは『ふっかいあな』の頃だけど