『暗いところで待ち合わせ(映画版)』

この本が発売された当初にすげーハマって何度も読み返して、人にも勧めまくって。最初に読んだときはミステリとしてのラストに驚き。2回目以降は細かい描写ひとつひとつに切なくなるという感じで、1〜2年マイベストとして君臨してましたね。そんな書籍の映画版ということで、公開された際に見にいきたかったんだけど、ちょっとスケジュールが合わずに行けず。ようやく今回、DVD化に際して目にすることが出来ました。
事故により視力を失った女性とその家に身を隠すために忍び込んだ殺人事件の容疑者。視力はなくとも、次第に男の存在に気づいていくのだが…、的な話。主演は田中麗奈。以前にも書いた気がするけど、田中麗奈の目は強い。目の演技で全てを語ってる気がする。しかし、そんな彼女が視力を失った女性を演じるというのもちょっと想像がつかなかったのですが、そんな心配は無用でしたね。視線を宙に漂わせ薄目を開けてるかのような表情にリアルに見えない感がしました。いや、身近に視覚的にチャレンジされている人(←なつかしの政治的に正しい表現)がいないので、どんなのがリアルなのかは知らないですけどね。ただ、目が見えないという記号としての演技だったら、やっさんがキー坊に眼鏡飛ばされた後の“メガネ、メガネ…”な感じをやっとけば、“あ〜、目が見えないんだな”と理解するかと思うんですが(ホントかよ)、それをしないで、表現されると“実際に目が見えないってなるとこーいう感じなのかなぁ”と思ってしまうんですね。リアルですよ。井川遥の駅のホームへの登場の仕方とか…(あれだけは、コントだったかな…)。
基本的には、原作にも忠実な内容で、すごい静かな展開で進んでいく中で、徐々に彼女が男の存在を理解し受け入れていく感じがそのまま描かれているのは(ある程度期待をしていなかったってのもあるので)良かったです。ただ、唯一原作と変えてきている点が、男が中国人っていう設定。ココだけは、なんで中国人でなくちゃいけなかったんだか、全然わからないんですが。それこそ監督とかが、リアルさを追求していく上で“ココまでコミュニケーションをとるのが下手で、人間関係を築けない人がリアルにいる訳ない。言葉の壁があるとしか考えられない!”とか思っちゃって、中国人(役者は台湾人?)にしちゃったんでしょうか。(伊集院さんのラジオを聴いて育った原作の乙一も含めて)こっち側の人間からすれば、それこそすげーリアルな表現で、日本人で全然アリなんですけどね。
ま、その辺差し引いたとしても、良い作品でした。も一回、原作読んじゃうかも。


俺内ランキング(2007.7.4現在)

  1. 『暗いところで待ち合わせ』(映画)
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次点:オクラめかぶおむすび:ファミリーマート(食品)

*1:実はこの『The Speed』見逃していて、例の事件で再放送もされずに噂だけで聞いていたもの。過去のFBC動画を観ていく中で見つけて今更ながらに感動してしまいました

*2:実は録画してまだ途中までしか観てませんけどね。やはり同じ日に成田空港にいたようで、遭遇したかったなぁと改めて

*3:CM見て“誰かなぁ?『ライアーゲーム』でエリーやってた人かなぁ”と思って調べたら元宝塚の人なのね。BGMの『ビタースウィートサンバ』とあわせて、私よりチョイ上の年代狙いですね、完全に