有栖川有栖『マレー鉄道の謎』

なんか乗り物系のミステリーが読みたいなぁという漠然とした思いから、かといって西村某の時刻表モノとかではなく(読んだこと無いですが、勝手なイメージで)、もうちっと旅行要素の強いのってな感じでなんの情報もなくブックオフで購入した1冊。有栖川有栖って実は読んだことなくって、テレビの『安楽椅子探偵』の1回だけ東京でやったヤツで見たくらいだったけど、ま、マレー鉄道なら1回乗ったことあるんで情景も浮かびやすいかなと思って手にとってみた。
とおもったら、最初にマレー鉄道が大事故を起こしてそれがストーリーには噛んでくるものの、あとはほとんどがマレーシアのキャメロンハイランドでの出来事なのね。がっかり。有栖川有栖本人と犯罪学者の火村が友人の招きで訪れたキャメロンハイランドで起こった日本人絡みの殺人事件に挑むという話。この人の本では、この本人を語り部として登場させて、探偵役の学者と一緒に旅をさせるという展開は定番なのでしょうか。でもこのパターンでいろんな国のモノを書いてるのって、要は取材旅行に託けて各国を旅行してそこでなにか思いついたら本出しましょーって仕事してるって事だよね*1。全くうらやましいヤツ。ま、そこは、こういう人たちは旅行中も仕事のこと考えなくちゃいけない人なんだと思って自分を慰めるとして…。
本としてはストーリーと全然関係ないところで、カラオケに行っても『てんとう虫のサンバ』や『とんぼ』しか歌わない昆虫マニア達というコントでも無いようなキャラ付けの人たちが出てきたり(話の展開には全く関係なし)、ワンフーという名前のキャラクターが出てきてオールナイトニッポンの頃のとんねるずトークなんかを想いだしてみたりと、全然横道のところで気になっちゃう事があったりしたものの、内容はいわゆる本格ミステリ新本格って言うの?その辺の区分よくわかんないんだけど…)。密室あり、ダイイングメッセージありと小説的には“いかにも”な展開は、とりあえず忙しさの中の通勤中の娯楽として、難しく考えるものが頭ん中入ってこない状況ではかなり心地よい小説でした。
ちなみに、小説的には“いかにも”で当たり前にあることのようにあちこちで描かれてるけど、実際に血文字でダイイングメッセージ書いた人っているのかね、この世に。ダイイングメッセージって自体が本当はこの世に無いものby伊集院光オールナイトニッポンって感じですけど。なんかそう考えると、自分が死ぬときは、たとえ老衰で家族に看取られながらの大往生でも、無理からに血で謎のメッセージとか書いて“世界初の本当のダイイングメッセージ”とか書いてやろうかと思ってしまう。残された家族にとっては死ぬ間際になってかなり迷惑な老人に成り下がっちゃうだろうけど。実際には謎とか無いしね(ダイイングメッセージ残すからには、せめてジャンプ!して死ぬくらいしろって、無理からに2つの話をつなげ無くても良い?)。


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*1:取材旅行で現地に行ったってのはあとがきにも書いてあったね

*2:なんか、なんの意味もないローカルネタが、知ってる場所だとそれだけでおかしいってのありますよね。そんなトコ

*3:そういえば前回書き忘れたけど、あのエンディングテーマはどうかと…。それこそ敢えて『ウルトラセブン』(♪ワントゥ!スリフォ〜ってヤツ)をエンディングにしたらカッコよく締まった気が、個人的に

*4:テレビでやってたのをテキトーに途中から途中まで観ただけですけど。。。ただ、この映画はストーリーは置いといて、劇中のテーマパークっぽい廃墟と湯屋のフォルムが好きでその風景だけで満足できるので良いのです