『アナザヘヴン2』

なんか、ごっつい刑事モノの小説が読みたくって、でも買いに行ったり図書館に行く時間も無いというときに本棚の“買ったくせに読んでない本ゾーン”あたりを見ていたら目についたこの本。いや、前作の『アナザヘヴン』がホラー系の話だったし、続編も当然刑事モノじゃないってのはわかってるんですけど、前作の主人公の一人だった飛鷹という刑事がなんとなくそのイメージに近かったので読んでみることに。
アナザヘヴン』は前作の小説は読んでいて、結構好きな話で、そのあと映画になったやつは見ていないんだけど、なんかケチャのBGMが印象的だったんでテレビでやったときのをどこかに録画はしてあるかな。で、それと連動してテレビでやってたドラマは全く知りませんという程度。でも、この『アナザヘヴン2』が出たときにたまたま発売日に書店で見かけて“お、前作面白かったから買おう”と思い1、2巻を買ったものの、そのままになっていたモノなのです。
ストーリーとしては、前作(&映画)の外伝的な展開をしていたドラマのストーリーと、新たに前作の主人公・飛鷹と早瀬のその後の話をクロスさせながら進む感じ。ドラマの続編とかだったら全然わかんないからどうしよう、と思っていたんですが純粋に前作の小説の知識だけで続けて読めるのでその辺はよかった。で、章ごとにそれぞれの登場人物の視点で進む展開なのですが、こうした別々に進行している複数のストーリーがだんだんとクロスしていく的な展開に弱い人なので、各章のタイトルの『2早瀬』とか『3飛鷹』といったその主人公になっている部分が、『17飛鷹と幕田』とか『3亜希美と悟郎』とか『11松本とクリステル』とか(3つ目は嘘)になってくるたびに“おおっ”という感じでした。
ストーリーとしては今回はホラーというよりは、どっちかというとSFというか、精神世界モノというか、トンデモ的な世界というかそんな感じでしたが、エンタテイメントを意識した展開になっているせいか、また4巻組みという関係で細かく山が来るようになっているせいか、ある程度主人公のキャラだったりストーリーだったりが見えてきてから(前作読んだのがかなり前なので思いだしてきてから)は、わりと一気に読めました。2巻の後書きで○○の役はドラマで誰が演じていてみたいな事が書いてあって“これってキャラクターのイメージが固定されちゃって嫌だなぁ”と思ったりもしたんですが、元々ドラマの方のストーリーは役者に充てて作られてるし、小説の方の主人公も映画化されたあとに作られた話なので、役者の顔が浮かんでこようがそんなにイメージは壊れませんでしたね。ちなみに、登場人物では『ガダラの豚』のミスター・ミラクルと同様の立ち位置で謎解きのキーとなるヒントを出していくキャラクターであった黒川という両性具有の輩が結構気に入っていて、黒川をドラマで誰が演じていたかは書いてなかったんですが、これはドラマ関係無しに頭ん中で“篠井英介しかありえない”ってなイメージになってしまってたんですけど、あとからドラマ版の役者を調べてみたら、ホントに篠井英介だったのはちょいうれしかったです。はい、こんな3年も前に出た本で今更ながらに…*1

*1:タイミング的には、ドラマの続編やって映画化も決まってって時期だし『推理小説(アンフェア)』の続編の方見ろよって話もありますけど…