『真説・リュージュの起源』

深夜の馬鹿力』の中で伊集院さんがリュージュの起源について話されていましたが、僕のうちの宝物とかを入れてある蔵から出てきたかなり古い文献に似たような話が出ていました。タイトルも破れ落ちてしまってわからないような本ですが、読める範囲でここに転載します。

いにしえの昔、赤城の山のその奥に、仮不破村というよそ者を寄せ付けず村人だけで静かに暮らす閉ざされた村があった。村人たちは村の厳しい掟によって縛られており、その禁を犯したものは村から追放されるきまりだった。追放される村人は聖なる木2本に仰向けに縛り付けらる。そうすると熊のような毛皮をまとった村長が“お前は禁を破ったからこの村から追放だ。まぁ、山の神が怒っていなければ麓にはつけるはずだ。あとは山の神に祈るがいい”と言い、木に縛られた追放者を村から出る事の出来る唯一の氷の細道に流すのである。追放者は高速でこの道を滑り降り、やがて谷底に辿りつくのであるが、そこには村長が仕掛けた鋭く尖らせた竹槍が待受けており、生きて帰るものはいなかった。この刑罰は、その形態から『流樹』と言われ、村人たちはこれを恐れるばかりに禁を犯すものはいなかった。
ある時、山で遭難し、この村に迷いこんできた若い男がいた。男は村の娘に助けられた事で一命を取り留め、やがて男はこの娘に恋をした。しかし生娘であったその娘は、山の神に生贄として捧げられる事が決まっており、この娘に手を出す事は許されなかった。村人はこの男に目の回る酒や、幻覚により周りが皆笑って見える禁断のふきのとうから作った天麩羅などを食べさせ、体よく村から追い出してしまおうと考えた。しかし、ついに男の話しが村長の耳に入ってしまったのだ。
“お前は、助けられた時に、掟により絶対触れてはならぬ生贄に触れてしまった。さらにその時に、娘の乳房の感触を味わっていたのはわかっているぞ”そう言われると、男は流樹に括り付けられた。最後に男を押す係に選ばれたのは、その娘の兄であった。兄は決してその男の事を良くは思っていなかったのだが、いざ刑を下す段になって男の耳元でこう呟いた。“死神杉の上から2番目の枝に鷹の巣があるから、あれをよく見ておいてくれ”そこまでしゃべったところで“お前、何をしゃべっているんだ!”という村長の声。兄は“いや。何でもないです”と言い男を押し流した。流樹に乗って氷の道を滑り落ちる男。これまでの人生が走馬灯の様に駆け巡り、ついに死を覚悟した時ふと兄の声が蘇って来た。鷹の巣?。だんだん死神杉が近づいてくる。たしかに鷹の巣がある。と、鷹の巣を眺めようとして体をひねった事で上手い具合にバランスが崩れ、傾いた男の流樹は上手く竹槍をすり抜け麓の集落に辿り着く事が出来た。兄のイワンコロシフが助けてくれたのだ。妹に手を出した男は、この兄には恨まれているのだとばかり思っていたが、ロシアからの移民であった兄はよそ者である男の気持ちがわかったのだろう。最後の言葉はこの事を言っていたのだ。
男が生き延びたと言う話は、瞬く間に村に伝わった。村人たちは死神杉の鷹の巣を見る首のひねり方が竹槍をすり抜けるコツである事を理解した。村の男たちは箍が外れたように、女どもの乳房を触っては流樹の刑を受けるようになった。異変に気付いた村長は事情を知り、死神杉の手前に一つ別のカーブを設け、また男たちを竹槍の方に誘った。しかし、一度女の味を知ってしまった男たちの欲望は止まらなかった。数人の男たちが犠牲になりながら攻略法を試し、やがて村に生息するイタチ科の哺乳類であるテンをケツの間に挟んで、それを殺さない程度の力の入れ具合でいるとカーブも回避できる事に気付いたのである。そこからは、コースを変える村長と攻略する男たちのまさにイタチごっこ。やがて呆れた村長までもが乳房を触って滑り落ちるようになり、この流樹は村の遊戯へと発展していったのである。
現在ではこの遊戯は『リュージュ』として知られ、1964年の第9回インスブルック冬季大会よりオリンピックでも正式競技として行われている。

な〜んて戯言をネット上に載せてみたりするあそび。


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次点:流氷ソーダを前にした加藤ローサ:『シムソンズ』より(芸能人)

*1:隣の主婦風の女が、このカレーブログに乗せたいんで写真とっていいですか?とか聞いてたな。どんなヌルいブログ書いてるんだ?って思って検索してみたけど、まだアップしていないみたい…

*2:なんか書いてみると民名書房みたいな文章だな

*3:ただし、試合後の歌は除く