『古畑任三郎ファイナル第三夜 ラスト・ダンス』
いよいよ最後の古畑です。基本的にこれまでの“最終回”と銘打った古畑はみんな好きなんですね。自分の上司に位置する人をとの対決となる第1シーズン。古畑史上最も大掛かりな犯罪を扱う第3シーズン。そしてなんと言っても、ニューヨークにて過去に無罪になった犯罪を会話だけで解決していく安楽椅子探偵的展開の第2シーズン（ん？第2シーズンの最終回はスペシャルの山口智子の回になるのか？いや、あれも好きなんですよ。最後に最終回を意識して、犯人に“私はきっと帰ってくる”って言わせるところとか）。となると、ファイナルの3夜目はやはり期待してしまうのですが、最初に報じられた時の情報では松嶋菜々子が知能犯を演じるというもの。となると論理戦が期待できるのか？。さらに双子という設定であるという。双子を使ったトリックはたくさん考えられるけど、逆に出尽くしてる感があるのでトリックで見せるというよりは、やはり原点に戻って人間ドラマを見せるのか？みたいな。
そんないろんな期待の中でのファイナルですが、ウルトラマンAでいうところのジャンボキングのような、キャンディーズでいうところの『微笑み返し』のような*1、総集編的な楽しみもありましたね。今泉くんが走って実行可能かを検証するのは『さよならDJ』のオマージュだし、自分で自分の携帯に電話をかけてアリバイを作るのは『矛盾だらけの死体』。そのほか、古畑が春峯堂の話をしてみたり、今泉が力説していた観覧車の話は『赤か、青か』のエピソード。そしてなんと言ってもラストに“あなたにとてもよく似た女性に会ったことがあります”と話した小石川ちなみの話ですね。いや、正直言って松嶋菜々子ってキャスティングを聞いた時に、確かにドラまで視聴率が取れる人という事ではトップクラスでしょうからその点では申し分ないんですが、やはり菅原文太や松本幸四郎のイメージがあったんでもっと大御所的な人を想像していたんで“ん？”って感じだったんです。しかし、そんな中で松嶋菜々子をキャスティングしてやりたかった事はこれだったと。
古畑では小石川ちなみのエピソードは第1話で放送されたものですが、その後もちょくちょく後日談が語られており、無罪になった後結婚し、アメリカで幸せに暮らしている事がドラマが回を重ねるに連れ伝えられていました。そんな、このドラマの歴史と共にあった小石川ちなみとも近い職業の女性を最後に登場させ、やりなおす事が出来ると語る。なんだめちゃめちゃ綺麗なファイナルじゃないですか。文句なしです。
ただ、ここまでやっちゃうとやはりもう続編は無いんでしょうねぇ。コロンボの様に白髪になってまた復活というのも見てみたいのですが。毎回、次が出来るかは田村正和さん次第だというけど、その本人も、さすがにもう無い的な事言ってますからね。うーん。そういえば、今回の3本ってみんな兄弟姉妹モノなんですね。この辺になにか謎があるような。となると弟の田村亮で古畑任四郎か？（いや、見たいとは思いませんけど…）*2。
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