『秘境駅 〜中部・東海編〜』

車では行けない、歩いても辿り着けない、列車でしか行けない駅を訪ねる旅DVDを見る。あ、私、鉄オタじゃないですよ。時刻表もろくに読めずに、新横浜で止まる新幹線に乗ったつもりが強制的に東京まで連れて行かれてしまう事が多々あるような奴ですから。いや、前にも書いたように、廃墟とかの風景を見るのが好きで(おとといのランキングでも“東京工業大学すずかけ台キャンパスの外観”っての入れてましたが。あ、コレは廃墟じゃないですけどね。246から見える佇まいが廃墟っぽくてぜひあのまま枯れて欲しい物件)、で、秘境駅は廃墟ではないんですけど、逆に駅として稼動しているにもかかわらず誰も乗らない誰も降りない、駅員もいないという状況に“生きた廃墟”が見られるのではという期待がありまして。あと、パッケージにも書いてあって“ミもフタも無いな”と思ったんですが“何のための駅なんだろ”ってのに興味がありましてレンタルしてみました。
今回は中部・東海編という事で、JR飯田線大井川鉄道秘境駅が紹介されている。大井川鉄道と言えば、1年ほど前に伊集院さんがフリートークでSLに乗りにいった話をしていた所ですね。SLよりさらに奥に行ってればこんな所があったんだ。
そんな大井川鉄道もだんだんと奥に入っていくと、もう駅は止まる所の目印くらいな存在になってて、ホームなんか無く、ただ白線がひいてあるだけってな感じ。見る前は“車でも徒歩でも行けない”ってのは大げさな表現で誰も行かないってだけでしょ、くらいに思ってたんだけど、すごい所では本当に林の中で駅以外に道すらないようなのもあって唖然として見てしまった。
ちなみに、秘境駅となってしまった理由はさまざまあって、ダムの建築により周辺の集落が無くなってしまった駅や、林業の従事する1人のために使われていたが(それもすごいが…)、その人も辞めてしまったので誰も乗降しなくなったとか。で、それが10年とかより前なのに、いまだに毎日鉄道が止まっているという光景はかなりシュールでしたね。あと乗降は無いものの、周辺の2件のために車掌*1が駅のベンチに新聞だけ置いていく駅とか。バックに流れるサティのジムノペティ(たぶん)とあいまってかなりいい味出してました。
それとも一つ、廃墟的見方をすると、誰〜もいない所に寂れた駅舎が建っている光景とかがいい感じなんですが、今回そうではないもののいい映像と言うのがありまして。大井川鉄道青部駅。ここは秘境駅の1歩手前くらいの無人駅なんですが、ここのホームにセーラー服の女子高生(中学生?)が1人電車を待っている。するとそこに画面を遮る様に電車が入ってきて停車、電車が去っていくと無人のホームだけが残されているという映像。あれは、多感な時期を山奥の寂れた村で育った彼女のドラマが背景に見える様で、かなりいい感じの絵でした。うん、非常に癒されるDVDだったね。

*1:DVDの中では駅員って紹介されてたけど…