若竹七海『遺品』

近所の書店のおすすめ本シリーズ第2弾。
金沢の洋館風のホテルを舞台。そのホテルの創始者がある大女優の愛人であり、偏執的なコレクターだったのだが、そのコレクションの公開作業を進めるうちに奇妙な出来事や不可解な事故が起き始め、やがてその女優とおぼしき幽霊が…、という話。ま、設定的にはありがちな感じ(現実に、ではなく“おばけ話”にって事ね)なんだけど、書店の推薦文が“ミステリファンにも”という事だったので、(私はにわかミステリ好きですが)読んでみました。
たしかに“幽霊の仕業”な時点で純粋なミステリではないんだけど、ただ単に恐がらせりゃいいだけのホラーではない、幽霊もちゃんと意味があって恐がらせてる(?)。そして“ええっ。あの幽霊が?!”っていう展開がミステリなのかな(なんだそりゃ?)。ま、元々ミステリの作家さんだから、そういう要素があって当然っちゃあ、当然なんですが。いや、面白かったですよ。ちなみに、角川ホラー文庫なんですが、あまり“恐くはありません”でした。はは。
そして、この本。なにより私にとって、非常に読みやすい文章でした。いや、漢字が少ないとか字が大きいとか、そういう直接的な事じゃなくってね(そんな本、むしろ読みにくそうだし…)。理由はわからないんですが、一気に読めてしまう文章でした(逆に、つまらなくはないのに、なぜか宮部みゆきは途中で止まってしまうのです、私)。いいな。ほかの本も読んでみようかな。代表作とか検索してみよう。