イヴ・クライン『S41』
なんか、一昨日くらいから妙なモノがランクインしていますが。『リンダリンダ』を見た日にもう一つ。渋谷の文化村でやっている『ヘラルド・コレクション 流行するポップ・アート』を観てきました。とは言っても、ポップアートには分類されないような作品もありましたし、ま、その前後の時代を含めた現代芸術の展覧会といったところでしょうか。
この辺のモノに興味を持ち始めたのは、フジテレビの深夜番組『宣誓』や『カルトQ』の「ポップアート」の回*1などで、“なんなんだこの世界は!”と衝撃を受けたのを覚えています。あの、最初に言っときますけど、私、芸術とかわかる人間ではないですよ。ただ、現代芸術の“やっちゃったモン勝ち”感が、かなり好きなのです。
だって、例えば有名なデュシャンの『泉』は、市販の便器にサインをして『泉』ってタイトルをつけただけですけど*2、コレを観て“こんなの誰でもできるじゃん!”って言っちゃったら負けなんですよ。作家の思うつぼ。それを最初に“芸術だ”と言って、美術館に並べさせて、世間から“芸術作品だ”と認めさせちゃえばアートである、というこの発想の力技ね。コレを楽しむのが私のポップアート観賞です。
この『泉』もそうですけど、“タイトルで持ってく”系、結構好きなんですよねぇ。マグリットがパイプの絵を描いといて『これはパイプではない』ってタイトルをつけた作品は、“違うのかよっ!”と三村ツッコミをして見るのが楽しい見方です*3。あと、“芸術だって言いきっちゃう系”では、マンゾーニの『芸術家の糞』とか。これなんか自分のウンコを缶詰にしただけですからね*4。ツッコミ的には“そのままじゃん!”。
今回は、残念ながら、ココまで逝っちゃってる作品はなかったんですけど、例えば標題の『S41』。これは彫刻の『ヴィーナス』を青く塗っただけです。ま、わかる人に言わせれば、あの顔料の“青”にクラインの芸術性を感じるのでしょうが、この“色を変えただけで俺の作品”的な強引さに、私は思わずニヤリとしてしまうわけです。
そういえば、大阪行った時やってた『マルセル・デュシャンと20世紀芸術』も来年横浜にくるのね*5。前述の『泉』や、『モナリザ』にヒゲ描いただけの『L.H.O.O.Q.』も見れるみたいで、こちらも楽しみ。
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