黒田研二『ウェディング・ドレス』

勢いで大量に買い漁ってみたのはいいものの、急に俺内ミステリーブームが去っちゃって読んでいない本をきちんと読みましょうシリーズ第1弾!(長いよ…)
年末年始の休みに“なんか読んでみようかな?”と思いたったものの、よく見ると手をつけていない本が本棚にいくつも。よし、今年はこれを読んでいこう、と思ってまず手をつけたのがこの本です。何人かに勧められて買ったと記憶してるんですが、『ハサミ男』の殊能将之氏、『UNKNOWN』の古処誠二氏と立て続けにすばらしい作家さんに出会ったという事の流れでメフィスト賞モノをという事だったと思っています(流れじゃねぇって、ひとり抜けてるよ)。
で、内容については(ネタバレは一応しないつもりで書きますと)、複数の人の視点からストーリーが進んでいく話ってのは結構あって、それが最後に合わせてみると“そういうズレがあったのかぁ”ってのはよくあるんですが、この本はかなり序盤からズレていくんですね。で、その違和感をずっと抱えたまま読まなきゃいけないっていう感じで結構頭の整理が必要なため、“理解できない作品はつまらない”の感覚の人は途中で何度か読み返したりしていく中で挫折してしまうかも(そう言う人を考えて、序盤でパラレルワールドという反則技の可能性も示唆してるんですが)。
ま、私はそこまで考えずに一気に読んでしまいましたが。っていうか、いろんな可能性を考えながら読んでいったのですが、“あの”トリックはとても想像つかなかったですね。ひょっとして2回目読んでみると“力技”な部分もあるのかもしれませんが、最後まで読んだ時点で“おお!そうか!面白かったぞ”です*1

*1:念の為フォローをしていくと、理解できない作品ではありませんよ